地方銀行の銀行員だった頃、食堂に二台の自動販売機がんばって設置されていました。
スーパーが近くにあるものの、業務時間は支店を出てはいけないという決まりがあり、喉が渇いても買いに出ることもできません。
しかも、食堂と言っても名ばかり、定食がおいてあるわけでもなく、お弁当は取引先のそれなりにおいしくないものを注文するか、自分で持参するかでした。
銀行自体、窓口を長い間空けておくわけにもいかないので、休憩時間は一時間などとれたこともありません。
バタバタとお弁当を食べて仕事に戻るため、そこに楽しみなどありませんでした。
ただ、そこに設置されていた自動販売機には唯一私の大好きなジュースが販売されていました。
炭酸も飲めない私は、自動販売機の飲み物で飲めるものは少ないのですが、そこに置かれていた果汁100％のジュースはお昼時買って飲むのが癒しでした。
眠気覚ましや仕事の能率アップのためかは知りませんが、コーヒーが多く置かれていたので、ジュースは二本だけでしたが、その二本をローテーションして飲んでいました。
接客の仕事で、渇いた喉にごくごくと飲むと染み渡りました。午後からもがんばろうという気になりました。
また、先輩と話し合いをする際は、先輩が買ってくれてそれを飲みながらいろいろ仕事について教えてもらっていました。(女性・30代・会社員)
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